仕事・キャリア

論理的なサラリーマンは出世の近道?

サラリーマン生活も10年を過ぎてしまいました。

気が付けば次は管理職という立場となり、出世が早い人やそうでない人を色々と見てきました。

私が見てきた中で一部の出世の早い人にはある程度共通点があり、それは日本とアメリカの両方で働いてきましたがどちらの国でも同じでした。

その共通点とは、「ロジカルである」ということです。

そして、この「ロジカルであること」というだけで出世に影響を与えるのは課長まで、運が良くて部長までというくらいです。

その理由を以下詳しく説明していきたいと思います。

こんな方におすすめ

  • 早く出世する方法が知りたい人

演繹的に素早く答えを導くことが重要

私がこの記事で述べている「ロジカルであること」は、論理学で言うところの「演繹法」のことを指しています。

この演繹法という論理の立て方の例としては、

大前提; 全ての人間は、いつか死ぬ

小前提; ソクラテスは人間である

結論; ソクラテスは、いつか死ぬ

 

というように、普遍的な法則(大前提)と個々の事実(小前提)から、結論を導くというものです。

演繹法によって導かれた結論は、前提が正しければ常に正しく、多くの場合は未来のことを見通す時に使われます。

そして、この推論を上手に使いこなし、速やかに明言することでめちゃめちゃ仕事ができる人という印象を与えることができます。

「演繹的」

「素早く」

「答えを言い切る」

この3点セットが非常に重要という訳です。

パッと答えを出せる人は良いイメージしか持たれない

上記した方法は、周りがあまり優秀でなければないほど、「優秀そう」に見えます。

そして、答えの精度なんかよりも結論を先に出した人の方が、より賢く見えます。

この答えの精度と結論を出すまでの速さでマトリックスを組んだ時に、各象限への評価は概ね以下の通りになります。

(特にアメリカの場合は顕著な気がします。)

というように、答えを出すまでに時間がかかると、その答えが合っていようといまいと愚鈍な印象を持たれてしまいます。

例えば、ミーティングの場でも発表者が10分も前に行った事について、正しいことをコメントしたとしても、

「今更何言ってんの?」みたいな感じになりますよね?

他方で、パッと答えを導ける人は頭がキレるイメージかもしくはニュートラルな印象しか持たれません。

これはなぜかと言いますと、「演繹法」で導かれた結論自体には否定のしようがないからです。

演繹法で導かれた結論と実際に起きた現象が一致しない時は、大前提や小前提の部分が間違っている場合です。

加えて、演繹法で導かれる結論は多くの場合未来のことですので、その場で答え合わせはできません。

特に私が勤めている製造業では、近年以下のような傾向があります。

  • 新しい事業をなんとか作り出したい。
  • 過剰な品質を求めるのではなく、市場の需要に合ったものを作り出したい。
  • その為にはもっと失敗に対して許容しないといけない。
  • ウォーターフォール型でなくアジャイル型の開発をするために状況に対して柔軟に対応していく。
  • ハラスメントに対して厳しくなっており、近年ではロジカルハラスメントにも気をつけないと行けない

故に、前提の正しさを確かめるという正当な行為が、何だか時代に逆行しているように捉えられてしまいます。

そのような背景からも、少々間違っていても素早く答えを出すことの方が良い印象を持たれるようになっていると考えられます。

ただし、本当に優秀かどうかは別の話

前提の確認はほどほどに、議論を重ね物事を進めていくと勿論仕事は早くなります。

どんどん仕事は前に進んでいき、近年の大企業が大好きな「スピーディーなアクション」的なことが実行されていく訳です。

直面する課題に対しては、都度柔軟に対応すること何とか切り抜け、顧客に対してもある程度の形を持ったプロダクトを提供することができます。

伝統的な大企業気質から脱却したいトップの意向とも合致しており、良いことづくめなので、みんなハッピーになってめでたしめでたし。

 

ということには全くなりません。

本記事のタイトルにもある「優秀」という言葉ですが、私の考える優秀さとは「最小限の犠牲で結果を出せること」の1点につきると考えています。

しかしながら、上記のような仕事の進め方ですと多くの犠牲が伴います。

ここでいう犠牲とは、プロジェクトの後半で出てくる色んな課題の処理にお金も人も時間も費やしてしまうことです。

すごく極端な言い方をすれば、問題を先送りすることによって短期的な成果を出しているだけに過ぎません。

 

その根本原因は先でも触れたように、前提の確からしさがきっちり行われないことに尽きます。

仮定の上に仮定を重ねたような結論を元に判断を重ねてきたため、問題が発生した際に原因分析を行うにあたっても、

  • どこからが事実でどこからが仮説なのか分からない
  • 大前提に考えていたことが、実は部分的にしか当てはまらない

などなど、結局あとで事実検証と分析に大幅に時間を費やすことになってしまいます。

 

そして、経験豊富な、特に現場での苦労を良く知っている論理的な幹部の方であれば、先述したような「犠牲」を出してしまうことを良くわかっています。

なので、ある程度まで出世すれば論理的なことだけでは通用せず、化けの皮が剥がれてしまい、最終的には「アイツ口だけやな」と言われるようになってしまう訳です。

 

以上です。知らんけど。

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米山ゆたか

30代前半でアッパーマス層達成し、30代半ばで準富裕層達成。 旧帝大院卒のメーカー開発マン。

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