前回簿記3級に合格してから、簿記2級を引き続き独学で勉強し、この度一発で無事合格することができました。
勿論満点から程遠く、80点で合格(商業簿記:40点、工業簿記: 40点)したので、あまり褒められた点数ではありません。
今回の記事でも、私がどのようにして学習してきたかを紹介しますが、あくまで「簿記の概要を学び、時間をかけずに合格すれば良い」という方のみ参考にして頂ければと思います。
こんな方におすすめ
- 効率的に簿記2級に合格したい人
米山のスペック
- 30代半ばの妻子持ち
- 開発職
- 理系大学院卒
- 簿記3級
最初にしたこと: ゴールイメージと道のりをはっきりさせる
簿記3級の試験でも、日々のサラリーマン生活でも基本的には全てやることは同じであり、「いつまでに何をするかを定量化させる」ことで全てが始まります。
勉強方法や勉強時間の管理は自分にとっては二の次となります。
現状のレベルとゴールのギャップをいかに埋めるか、を効率的に行うだけですので、勉強方法は都度修正していくべきと私は考えました。
以下ステップ毎に解説します。
step
1試験の全体像を把握する
簿記2級の参考書の最初の方のページには以下のようなことが載っていますので、まずは全体イメージを掴みます。
- 制限時間は90分であること。
- 商業簿記は60点、工業簿記は40点の配分であること。
- 合格ラインは70点であること。
- 合格率は10~40%程度であること。
- おおよその勉強時間は150~400時間かかること。
以上の情報から、簿記3級ほど甘くはないとということがわかります。
step
2ゴールの設定
ここで大事なことは方法論ではなく、合格にはどうすれば良いかゴールを描く事です。
簿記2級の攻略法みたいなことで検索しても、出てくる言葉は「スキマ時間を使って勉強する」とか「問題集を何度も解く」などの中身があまりない情報が多いです。
勉強のやり方は結構どうでも良くて、それよりもどういう状態であれば合格の確率が高まるかを考えた方が建設的です。
- 工業簿記は40点満点取ることは全然可能であること。
- 商業簿記の仕訳を落とすと厳しくなる。
- 第三問は時間をかければ部分点を取ることができる。
という3つの情報を私は軸に考えて、「工業簿記と第1問だけで50~60点を稼ぎ、第2問と第3問で合わせて20点を取る」という目標が定まりました。
具体的には、合格ギリギリの最低限の目標と少し余裕を持たせた目標の2段階を設定しました。
内容 | 配点 | 最低限の目標 | 目標 | |
---|---|---|---|---|
第1問 | 仕訳問題 | 20 | 12 | 16 |
第2問 | 連結決算など | 20 | 10 | 12 |
第3問 | 精算表の作成など | 20 | 12 | 12 |
第4問 | 仕訳、原価計算など | 28 | 24 | 28 |
第5問 | 原価計算、CVP分析など | 12 | 12 | 12 |
合計 | 100 | 70 | 80 |
step
3最終納期とマイルストーンを決める
簿記3級の時の経験から、私が勉強に費やせる時間は週10時間程度であることがわかっていました。
勉強を開始したのが1月の中旬でしたので、150~200時間程度費やす必要があると仮定するとゴールデンウィークがターゲット、ということが決まりました。
また、以下2点はマイルストーンとしておき、計画の大幅修正がないかを確認しました。
- テキストを一通り終わった段階
- 試験本番の1ヶ月前
テキスト1周後(30時間目)
商業簿記と工業簿記の両方を、簿記3級の時と同様に、「まずは問題集を見てからテキストの解説を読むという流れ」で一通り終わらせます。
今回も滝沢ななみ著のスッキリわかるシリーズで勉強しました。
簿記3級の時は問題を見て直感的に解ける問題が結構ありましたが、2級では中々甘い問題はありません。
工業簿記は理解自体はまぁまぁ簡単であり、何度か演習をすればイケるだろうという感覚を掴みましが、商業簿記は中々理解できない部分が多く、仕訳も結構複雑になっていました。
仕訳ができなければ、連結決算や財務諸表の問題も解けませんので、集中的に勉強する必要があるということがわかりました。
しかしながら、仕事が忙しく日々の勉強時間もあまり取れませんでしたので、効率よく勉強する必要が出てきました。
試し半分にスマホのアプリで「パブロフ簿記2級商業簿記」をダウンロードし、通退勤の時と昼休みのスキマ時間に粛々と仕訳をこなましたが、個人的には非常に相性が良かったです。
試験本番1ヶ月前(80時間目)
試験本番の1ヶ月前での模擬試験結果では、おおよそ50点程度しか取得できていませんでした。
状況を分析した結果、
- 工業簿記の理解度と練習が足りておらず点数を稼げていない。
- 仕訳のケアレスミス=理解力不足で、点数の取りこぼしがある。
- 第二問で出題される可能性の高い、連結会計と勘定記入のミスが多い。
- 第三問や株主資本等変動計算書は概ね目標値達成。
ということでしたので、再び仕訳と工業簿記に集中して取り組むこととしました。
苦手部分をひたすら取り組み、試験直前で漸く合格点ギリギリとなり、本番では何とか目標値を達成することができました。
勉強時間 | 第1問 | 第2問 | 第3問 | 第4問 | 第5問 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
60時間 | 8 | 4 | 14 | 12 | 4 | 42 |
80時間 | 12 | 12 | 12 | 12 | 8 | 56 |
90時間 | 8 | 4 | 12 | 16 | 8 | 48 |
100時間 | 12 | 20 | 14 | 12 | 12 | 70 |
110時間 | 20 | 6 | 14 | 24 | 10 | 74 |
120時間 (試験本番) | 12 | 12 | 16 | 28 | 12 | 80 |
目標値 | 12~16 | 12 | 12 | 28 | 12 | 64 |
勉強内容と時間
勉強時間の推移を見ても分かる通り、完全に中弛みしており、最後の最後に詰め込んだってことがよくわかります。
このような中でも、コツコツと継続できたのは、間違いなくスマホアプリのおかげでしょう。
総勉強時間の1/3がアプリでの仕訳問題に費やされており、残りの2週間はほとんど模擬試験に集中しました。
独学で勉強していたので、工業簿記や連結会計の理解に少し時間がかかりました。
究極的に時間を削るのであれば、以下2点に取り組むだけで70点は取れると今となっては思います。
- 商業簿記: 仕訳を8~9割程度以上できるようにする。
- 工業簿記; 勘定体系図をしっかりと理解する。
方法 | 勉強時間 | 分類 |
---|---|---|
アプリ | 40時間 | 商業 |
テキスト | 50時間 | 商業、工業 |
模擬試験 | 30時間 | 商業、工業 |
最後に
簿記2級は思ってたよりも骨が折れた試験でしたが、そこそこは身についたと感じる一方で、後半は無駄な勉強している部分も多いな、と感じることもしばしばありました。
少なくとも現時点で簿記1級を取ろうというモチベーションはゼロです。
簿記2級と3級を取得して、色々と感じたことがありましたので、それはまた別の記事で述べたいと思います。
以上です。