こんにちは。
バイデン大統領に政権が移り次々と大統領令が施行されています。
近況を考えますと当面は、コロナ対策が1番の注力事項になると思われます。
他方、長期的にはクリーンエネルギーの方にも投資を行っていく方針を打ち出していってますし、GE始め多くの企業がEV化にシフトしていってます。
今回の記事では、アメリカのエネルギー事情について調べてみましたのでシェアしたいと思います。
こんな方におすすめ
- アメリカのエネルギー事情が知りたい方
アメリカ合衆国のエネルギー庁で紹介されているクリーンエネルギーの例としては以下のようなものがあります。
- Solar (太陽光発電)
- Wind (風力発電)
- Water (水力発電)
- Gothermal (地熱発電)
- Bioenergy (バイオエネルギー発電)
- Nuclear (原子力発電)
- Hydrgogen & Fuel cell (水素、燃料電池発電)
引用: Clean Energy
*本記事では、Renwable energy (再生可能エネルギー)は、原子力発電を除くクリーンエネルギーと捉えています。
アメリカの使用エネルギー量 (エネルギー源別)
アメリカの使用エネルギー全体に対する、エネルギー源の割合を示したグラフを以下に示します。
引用: U.S. energy facts explained
エネルギー源の割合
- 原子力: 8%
- 石炭: 11%
- 再生エネルギー 11%
- 天然ガス: 32%
- 石油: 37%
全体のエネルギーの内、太陽発電や水力発電や全て合わせても再生エネルギーの占める割合は11%程度しかありません。
アメリカ全体の使用割合から、個々の再生エネルギーの発電割合を計算し直すと以下のようになります。
再生エネルギーの占める割合
- 太陽光発電: 約1%
- 水力発電: 約2%
- 風力発電: 約3%
- バイオマス: 約5%
アメリカの使用エネルギー量 (セクター別)
現状について
以下のグラフでは、各種発電方法で得られた電気がそれぞれどのようなセクターで使用されたかを示しています。
出典: U.S. energy facts explained
ポイント
- 左側のエネルギー源の割合は、先ほどまとめたものと同じですね。
- 右側に示したセクターには、輸送と産業、住居、商業用の4つに区分されています。
- 黒とグレーで示されたグラフは、電力会社の発電量を示しており、65%がロスとなり残りの35%を各種セクターに配分しています。
石油、天然ガス、石炭由来を非クリーン、再生可能エネルギー及び原子力発電をクリーンと定義し、各セクター毎のエネルギー源を区分してみます。
電力会社は様々なエネルギー源から発電しており、ざっくり計算すると非クリーン由来が60%でクリーンエネルギーが40%となります。
セクター | 非クリーン由来 | クリーン由来 |
輸送 | 95% | 5% |
産業 | 85% | 14% |
住居 | 77% | 23% |
商業用 | 78% | 23% |
いずれの分野でも非クリーン由来のエネルギーに頼っていることがわかります。
電力会社における発電量を、いくらクリーンエネルギーで賄ったとしても、トータルで考えると寄与度はごくわずかであることがわかります。
テスラの充電について
家庭で充電するかスーパーチャージャーと呼ばれる高速充電機を使用するのが、テスラ車の主な充電方法です。
上記したように、家庭の発電は非クリーン由来が約80%を占めています。
2019年にラスベガスに建てたスーパーチャージャーでは太陽光発電を使用しており、1日に1500台も充電可能とのことです。
このように、テスラではクリーンエネルギーのみを使用したエコシステムを作ろうとしています。
引用: Tesla’s new V3 Supercharger can charge up to 1,500 electric vehicles a day
今後について
米国エネルギー情報局(米国エネルギー庁のサブ組織)によりますと、天然ガスの使用量がまだまだ増えそうです。
石炭での発電量を減らす代わりに再生可能エネルギーの割合を増やしていますが、全然足りませんね。
出典: Annual Energy Outlook 2020with projections to 2050
電力会社はどの再生可能エネルギーを伸ばしていく?
キーとなるマイルストーン
今後の電力会社における発電量の予想を示したグラフが以下になります。
出典: EIA expects U.S. electricity generation from renewables to soon surpass nuclear and coal
左側のグラフから、今後アメリカが目指すべきマイルストーンは大きく2つあることがわかります。
- 2021年までに再生可能エネルギーの割合を石炭及び原子力発電以上にすること
- 2045年には天然ガスよりも割合を増やすこと
右側のグラフでは、太陽光発電と風力発電の2点でそのマイルストーンを達成するということがわかります。
特に太陽光発電は、設置の手軽さからも家庭や工場などあらゆるところで普及していくことが示唆されます。
コストについて
広く普及するまでに重要なことは、供給体勢を整えることに加えてコストを削減することです。
いくつかシミュレーションを行っていますが、2050年までには太陽光発電の価格を40%減らし、天然ガス由来の発電コストと同等になると予測されています。
出典: EIA expects U.S. electricity generation from renewables to soon surpass nuclear and coal
コストを削減するのに1番手っ取り早い方法は、太陽光パネルの出荷量を増やすことです。
大量に生産することで、製造コストを下げることができます。
そこで冒頭にも少し述べたような、政治主導での大規模な投資です。
既にいくつかの州では、太陽光パネルの設置に対して税制優遇なども実施されています。
官民一体となり進んでいることがわかりますね。
以上です。