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年収が上がるほど幸福度は上がる【7万5千ドル以上でも】

「年収7万5000ドル以上(年収800万円以上)だと、経験的な幸福感はそんなに上がらない」というのが従来の研究の内容1)でした。

この研究内容を元に、年収をそんなに追い求めても意味ないのかなとか、確かにそんなに幸福度は変わらなかったかも、って思った方はたくさん居たと思います。

しかし、新たな研究2)によるとお金を稼げば稼ぐほど、幸福度は爆上げで、金持ちは普通に人生に満足してるってことがわかりました。

本ブログでは、その論文の内容を少し紹介したいと思います。

 

*本研究は、アメリカに住む被雇用者が調査の対象です。

こんな方におすすめ

  • 年収と幸福の関係が知りたい方

どんな人の研究結果?3)

Matthew A. Killingsworth(マシュー A キリングワース)という方で、「幸せ」について色々研究されている方です。

ハーバード大学で心理学のPhDを取得し、デューク大学では工学と経済学の学士号を取得しているという超煌びやかな経歴の持ち主です。

現在は、ペンシルバニア大学ワートン(Wharton)スクールでシニアフェローとして研究されています。

簡単に内容を説明

所得の対数に対して、直線的に幸福度が上昇し、8万ドルを超えても幸福度は上昇するということがわかりました。

つまり、年収250万円から年収500万円に増えたときの幸福度の上がり具合と、年収1000万円から年収2000万円に増えた時の幸福度の上がり具合は同じといった感じです。

この研究では、100万件以上のリアルタイムのレポートを元に幸福度 (Well-being; 持続する幸せ)を調査しました。

このリアルタイムというのが肝要でして、今回の調査では簡単に言いますと「今、現在幸せ?」って聞いた時の回答をもらっています

テレビを見てるときや、仕事をしているとき、家族と食事をとっている時など、その瞬間に幸せかどうかを問うています。

これまでは、このようなリアルタイムの大規模調査は難しく、「今振り返ってみて、幸せだった?」ということを過去の研究では行なってきました。

どのような不具合が生じるかと言いますと、調査対象者は正確に昔のことを覚えていることが求められますし、昔の記憶に対して少しバイアスがかかってしまいます。

また過去の調査の仕方(バイナリー)ですと、どうしてもある程度以上行きますと、改善余地が少なくなりプラトーが出やすかったのでは?と考察されています。

データを説明

*細かいデータの内容や、どういう人たちからデータを抽出したかは補足資料4)をご覧になって下さい。

まずは以下のグラフを見てみましょう。

縦軸が幸福度で、横軸が年収です。

赤線が幸福度で、青線が人生の満足度です。

稼げば稼ぐほど、幸福度も人生の満足度もどんどん上がり続けており、プラトー(頭打ち)は全く確認されていません。

また、傾きはほとんど変わっておらず、年収が低い時でも年収が高い時でも、幸福感の増加具合に違いはありません。

 

さて、この結果を受けて、こう思った方はいるんじゃ無いでしょうか?

「金持ちになって幸せになっても、その分ストレスとかも増えてるんでしょ?」

という疑問も、もちろんキリングワース氏は検討されており、年収と感情の相関についても研究されています。

 

以下の図の中で、黒線はポジティブな感情(自信・善意・感動・興味・誇り)で、灰色線はネガティブな感情(怖い、怒っている、悪い、退屈、悲しい、ストレス、動揺している)を表しています。

お金を稼げば稼ぐほどネガティブな感情は減少しており、年収が低い人の方がストレスなどを感じていることがわかります。

他方で、年収が高い人方がポジティブな感情が増加しており、年収が低い人の方がポジティブな感情を抱いていないことがわかります。

 

最後に

めちゃくちゃ簡単に説明しましたが、いかがだったでしょうか?

これまでの研究結果と全然異なる結果が出てくるところが、こういう調査の面白いところですね。

今後もこういう面白い記事があれば、紹介していきたいと思います。

 

参考文献

1) Happiness, income satiation and turning pointsaround the world

2) Experienced well-being rises with income, even above $75,000 per year

3) Dr. Matthew Killingsworth

4) Supplementary Information

 

以上です。

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米山ゆたか

30代前半でアッパーマス層達成し、30代半ばで準富裕層達成。 旧帝大院卒のメーカー開発マン。

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