仕事・キャリア

理系学生は大学院へ進学し、博士号をとるべき

こんにちは。

私は大学院を卒業し、修士号を取得しました。

最近では、学歴なんて関係ない!ってことをよくSNSやyoutubeで見聞きします。

私の経験を踏まえ、大学院進学のメリットとデメリットを述べた後、海外駐在の経験から博士号まで取った方が良いのか?ということをお伝えしたいと思います。

こんな方におすすめ

  • 理系へ進学しようと考えている方
  • 研究開発職に興味のある方

結論

  • 個人的には大学院に進むメリットの方が多い
  • 良い仕事につくなら海外の博士課程まで進むことを勧める

大学院とは?

大学院は、修士課程と博士課程から成っており、進学するためには学士号(4年制大学の卒業)が必要とされています。

修士課程は、博士前期課程とも呼ばれ、2年以上の在学と約30単位以上の取得が必須であり、それ以外の時間は研究に捧げることになります。

博士課程は、博士前期課程2年間と博士後期課程3年の計5年間から成ります。

めちゃめちゃ優秀な人は、たまに1年早く卒業したり、博士過程を中途退学し、そのまま助教として迎えられる方もいらっしゃいます

英語では、それぞれの学位のことを以下のように呼びます。

学士号: Bachelor (バチェラー)

修士号: Master (マスター)

博士号: Doctor (ドクター)

学会やビジネスシーンでも、博士号を取得した人は、肩書きとして「Dr. + 名前」で紹介され、専門職として働く方は一目置かれます。

更に、大学院(修士課程)に進学する人は5.5%程度で、博士課程に進学する人は0.7%となっています。

 

引用: 大学院の現状を示す基本的なデータ

大学院に行くメリット

私が考える、大学院に行くメリットは大きく以下3つです。

ポイント

  • 学歴ロンダリングしやすく、就職に有利
  • 最先端の研究に携われる
  • 物事を分析する素養がつく

学歴ロンダリングしやすく、就職に有利

私も高専から旧帝大の大学院に進学しました。

学部入試と大学院入試を比較すると、間違いなく大学院入試で進学する方が簡単です

学部入試では、数学や英語、物理など、専門教科も勉強しなければなりませんが、大学院入試では基本的に英語と専攻する科目だけです。

しかも、私が入試を受けた時は、英語はTOEICのスコアを提出するだけで良かったので、実質試験を受けるのは専攻科目だけです。

一旦、入試に受かってしまえば、平等に推薦就職枠も頂けますし、いい大学や研究室に行けば行くほど、その質は上がっていきます。

つまり、少ない労力でいい会社に入るというメリットを享受できることになります。

最先端の研究に携われる

高校で行う理科の実験のように、結果がわかっていることを作業的に行うのと異なり、大学で研究している内容は、基本的に世界で前例のないことを研究しています。

配属先の教授から研究テーマを割り振られ、実験結果を基に、配属先の先輩や教授達と議論を進めていきます。

学会で発表したり、海外の教授たちと交流することもあり、最終的には成果をまとめて論文を提出します。

このような経験は、文系学部では経験できることではなく、知的好奇心が旺盛な方にはとても恵まれた環境だと言えます。

物事を分析する素養がつく

大学院時代に専攻していた分野を、企業でもそのまま続けられるかと言われると、ほとんどの方が無理だと思います。

企業の事業部開発などに携わると、そのほとんどが既存の改良や改善であることがほとんどだと思いますし、製薬や生化学分野では、博士号を持っていないと研究させて貰えないという話も聞きます。

それでも尚、研究する際には以下のようなことを経験できます。

  • 研究室の前例と、その領域における歴史や競合する研究室との違いを明確にする。
  • 未知の領域を研究するには、試行錯誤を繰り返す。
  • 仮説を立て、実行し、分析を行い、次の実験計画を立てます。

つまり、3C分析を行い、PDCAサイクルを高速で回し、ロジックを構築し論ずるということを、非常に高いレベルで経験できることますので、物事を分析する素養がつくことがメリットだと考えています。

大学院に行くデメリット

大学院進学のデメリットは、私は以下2つが大きいと思います。

ポイント

  • 授業料がかかること
  • 2年間の機会損失

授業料がかかること

国立の大学院では、学部と同じ授業料と入学金を支払う必要がある為、2年間で約135万円が学費として必要になります。

私立の大学院では、大体1年間で100万円かかる為、200万円以上かかります。

これに加えて、家賃と生活費を賄うには毎月10万以上かかりますので、最低でも240万以上はかかります。

つまり、合計で400万円前後がかかるということです。

2年間の機会損失

学士で卒業し、一部上場のメーカーに就職した人は、初任給で22万円程度の給料を手にします。

年収としては、約400万円手にしますので、2年間で約800万円稼ぐことになります。

大学院の、費用と併せるとその差は約1200万円になります。

投資というのは、若い時に始めれば始めるほど、複利の効果を十分に得られますので、有利になります。

社会人は、社内外問わず、いろんな人と接する機会も多く、多様な価値観の中で過ごせるのは、重要なことだと思います。

つまり、金銭的にも社会人経験としても20代前半の2年間は、非常に価値が高い言えます。

博士号の取得について

私が今から学生時代に戻れるなら、英語をもっと勉強して、間違いなく海外(特にアメリカ)の上位大学の博士号取得を目指すと思います。

以下説明したいと思います。

海外の博士課程を勧める理由

アメリカ合衆国労働省労働統計局によりますと、2020年度のコロナ禍でも、博士卒の方(Doctoral degree)は給与水準が最も高く且つ失業率も最も低い結果となりました。

  • 修士卒(Master's degree)と比較して、20%以上給料が高く、40%近く失業率が低い。
  • 学部卒(Bachelor's degree)と比較して、44%以上給料が高く、2倍以上失業率が低い。
  • 高卒(High school diploma)と比較して、2.4倍給料が高く、3.75倍失業率が低い。

ちなみに私の周りの話を聞いてても、良い大学を出ていれば新卒で1000万円近く貰えるのはザラにあります。

(良い大学というのは、QS World University Rankingsでいうところの150位以内くらいのイメージです。)

引用: u.s. bureau of labor statistics

私が博士課程を諦めた理由

1つ目は金銭的な問題です。

日本学術振興会の特別研究員(DC1やDC2)になれば月々20万円の援助がありますが、取得できる保証はありませんでした。

修士課程は奨学金と学生時代に貯めたバイト代(30万円くらい)で、アパート費と生活費を賄っていましたが、2年間でほぼほぼ無くなってしまいました。

アメリカの博士課程では給料を貰いながら続けるのが一般的ですが、日本ではまだまだ遅れをとっている状況です。

またお給料自体も、日本では大きく変わらないレベルですので、金銭的メリットが低いと判断しました。

 

2つ目は就職率の問題です。

当時リーマンショック真っ只中で、就職率が非常に悪く、特に博士課程の方は難しい傾向でした。

当時、日々の食事にも苦労していたので、就職の潰しがきく修士課程で就職するという選択肢に至りました。

あとは研究室で話題になっていた「博士が100人いる村」ってのも、当時の私にはとても恐ろしかったです。

実際に、私の研究室にいた博士課程の方も卒業後、就職もされず何をされているのかわからない状況です。。。。

アメリカでもPhD持ちの就職活動は簡単とは言えませんが、日本ほどの悲惨な状況ではありません。

まとめ

私が進学を考えた時も、当時の教授たちからは将来的には「博士号(PhD)は重要になる」と言われてきました。

当時はそんなアホな、という考えでしたが、おそらく今後10年以内にはもっと必要になると思います。

研究開発職で良いお給料とポジションを貰いながら仕事を続けていくには、博士課程、できれば海外で学位を取るべきだと考えています。

 

以上です。

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米山ゆたか

30代前半でアッパーマス層達成し、30代半ばで準富裕層達成。 旧帝大院卒のメーカー開発マン。

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